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発生事実 保有有価証券の含み損

開示義務

 上場会社は、「保有有価証券(*1)の全部又は一部について、連結会計年度、中間連結会計期間又は四半期連結会計期間(第2四半期会計期間を除く。)の末日における時価額(*2)が帳簿価額を下回った場合(*3)」であって、かつ、当該内容が以下(STEP1)に掲げる基準のいずれかに該当する場合(該当しないことが明らかでない場合を含む。)は、直ちにその内容を開示することが義務付けられています。 

(*1)当該上場会社の子会社等の株式以外の国内の金融商品取引所に上場している有価証券に限る。

(*2)当該日の金融商品取引所における最終価格(当該最終価格がないときは、その日前における直近の金融商品取引所における最終価格)により算出した価額

(*3)当該上場会社が有価証券の評価方法として原価法を採用している場合に限る。

開示実務ステップ
  •  

    基準

    いつの(時点)

    比較対象

    いつの(時点)

    a

    連結経常利益(*)

    30%

    直前連結会計年度(有価証券の含み損が発生した決算期末、中間会計期間又は四半期会計期間(第2四半期会計期間を除く。)の末日の属する連結会計年度の直前連結会計年度をいう。以下同じ。)

    含み損の額

    b

    親会社株主に帰属する当期純利益(*)

    30%

    直前連結会計年度

    含み損の額


    (*)ただし、直前連結会計年度の連結経常利益が直前連結会計年度の連結売上高の2%に満たない場合又は直前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益が直前連結会計年度の連結売上高の1%に満たない場合は、利益が少額の場合の開示基準の特例があります。当該特例の詳細は、「【利益が少額の場合の開示基準の特例について】」を参照してください。


     ※ 連結財務諸表非作成会社については、「連結会計年度」を「事業年度」、「連結経常利益」を「経常利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」を「当期純利益」と読み替えてください。

     ※ IFRS任意適用会社については、「親会社株主に帰属する当期純利益」を「親会社の所有者に帰属する当期利益」と読み替えてください。また、「連結経常利益」に係る基準は適用しません。

    【上場規程第402条第2号q、施行規則第402条第1項第9号】


    (注)この事実の発生による影響の見込額と他の要因により生じる影響額とを合算すると、業績に大きな影響が出ない場合でも、この事実の発生による影響の見込額自体が基準に該当するときは、開示が必要となります。

  • 〔開示に関する注意事項〕

    ① 開示を行う際には、本項目の内容と併せて「適時開示に関する実務要領」も確認してください。

     

    ② 「売買目的有価証券」に属する有価証券について、期初の帳簿価額と事業年度、中間会計期間又は四半期会計期間(第2四半期会計期間を除く。)の末日における帳簿価額と時価との差額が生じ、有価証券の評価損を計上した場合は、「災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害」に、また、有価証券の評価益を計上した場合には、「その他会社の運営、業務、財産又は上場有価証券に関する重要な事実」に関する開示がそれぞれ必要となる場合があります。

     

    ③ 「その他有価証券」に属する有価証券について時価による評価を実施している場合であって、評価差額の会計処理に部分資本直入法を採用している場合や、時価が帳簿価額を著しく下回っていることにより減損処理を実施した場合であって、有価証券の評価損を計上したときには、「災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害」等に関する開示が必要となる場合があります。また、「その他有価証券評価差額金」の増減額(中間会計期間又は四半期会計期間における増減額)が直前事業年度における純資産の30%を上回る場合には、「その他会社の運営、業務、財産又は上場有価証券に関する重要な事実」として開示することが求められます。

     

    ④ 複数の種類の有価証券を保有している場合、含み損のみを合算した価額で開示の要否を判断するようにしてください。

    (参考)保有有価証券の評価に関する適時開示について

    保有有価証券の評価に関しては、一般に、以下の適時開示が必要となることがあります。

    ただし、内容によっては、その他の項目にも該当する可能性がありますので、十分に留意してください。


    分 類

    種 類

    対象となりうる開示項目

    売買目的有価証券

    評価損

    災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害

    評価益

    その他上場会社の運営、業務、若しくは財産又は当該上場株券等に関する重要な事実

    満期保有目的の債券

    (*1)

    含み損

    保有有価証券の含み損

    評価損(減損)

    災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害

    減損損失の戻入等(*2)

    その他上場会社の運営、業務、若しくは財産又は上場株券等に関する重要な事実

    子会社株式及び関連会社株式

    含み損(*3)

    保有有価証券の含み損

    評価損(減損)

    災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害

    減損損失の戻入等

    (*2)

    その他上場会社の運営、業務、若しくは財産又は当該上場株券等に関する重要な事実

    その他有価証券

    その他有価証券評価差額金(*4)

    その他上場会社の運営、業務、若しくは財産又は当該上場株券等に関する重要な事実

    評価損(減損)

    災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害

    減損損失の戻入等(*2)

    その他上場会社の運営、業務、若しくは財産又は当該上場株券等に関する重要な事実

    (*1)時価を合理的に算定できる有価証券が対象となります。

    (*2)中間決算又は四半期決算における減損の処理方法として洗替え法を採用した場合が対象となります。

    (*3)時価を合理的に算定できる関連会社株式が対象となります。

    (*4)連結貸借対照表、中間連結貸借対照表又は四半期連結貸借対照表に計上されている「その他有価証券評価差額金」の増減額(中間連結会計期間又は四半期連結会計期間における増減額)が直前連結会計年度の末日における連結純資産の30%を上回る場合には、「その他上場会社の運営、業務、若しくは財産又は当該上場株券等に関する重要な事実」として開示することが必要と考えられますので、留意してください。また、有価証券評価差額の会計処理に部分純資産直入法を採用している場合には、特殊な取扱いが必要となります(取扱いについての詳細は、東証までお問合せください。)。


  • ※英文開示様式例は以下からダウンロードしてください。
    https://www.jpx.co.jp/equities/listed-co/disclosure-gate/form/index.html

管理番号
6758

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