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発生事実 災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害

開示義務

 上場会社は、「災害に起因する損害」又は「業務遂行の過程で生じた損害」(営業損失、営業外損失又は特別損失に計上されるべきもの)が発生した場合であって、かつ、当該内容が以下(STEP1)に掲げる基準のいずれかに該当する場合(該当しないことが明らかでない場合を含む。)は、直ちにその内容を開示することが義務付けられています。

【上場規程第402条第2号a、施行規則第402条第1項第1号】

開示実務ステップ
  •  

    基準

    いつの(時点)

    比較対象

    いつの(時点)

    a

    連結純資産

    3%

    直前連結会計年度の末日

    損害の見込額

    b

    連結経常利益(*)

    30%

    直前連結会計年度

    損害の見込額

    c

    親会社株主に帰属する当期純利益(*)

    30%

    直前連結会計年度

    損害の見込額

    d

    取引規制府令第50条第1号に定める事項に該当しない場合

     

    (*)ただし、直前連結会計年度の連結経常利益が直前連結会計年度の連結売上高の2%に満たない場合又は直前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益が直前連結会計年度の連結売上高の1%に満たない場合は、利益が少額の場合の開示基準の特例があります。当該特例の詳細は、「【利益が少額の場合の開示基準の特例について】」を参照してください。

     

     ※ 連結財務諸表非作成会社については、「連結会計年度」を「事業年度」、「連結純資産」を「純資産」、「連結経常利益」を「経常利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」を「当期純利益」と読み替えてください。

     ※ IFRS任意適用会社については、「連結純資産」を「資本合計」、「親会社株主に帰属する当期純利益」を「親会社の所有者に帰属する当期利益」と読み替えてください。また、「連結経常利益」に係る基準は適用しません。

     ※ 取引規制府令の内容については、「適時開示項目に関連する条文一覧」を参照してください。

    【上場規程第402条第2号a、施行規則第402条第1項第1号】

     

    (注1)災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害とは、種々の事故等の災害又は会社の業務遂行の過程で生じたすべての損害(営業損失、営業外損失又は特別損失に計上されるべきもの)をいいます(法務省刑事局付検事・横畠裕介著「逐条解説 インサイダー取引規制と罰則」商事法務研究会、1989年3月23日、92頁)。

    (注2)この事実の発生による影響の見込額と他の要因により生じる影響額とを合算すると、業績に大きな影響が出ない場合でも、この事実の発生による影響の見込額自体が基準に該当するときは、開示が必要となります。

    (注3)期中又は四半期末・中間期末・事業年度末における有価証券の評価損の発生も開示が必要となります。有価証券の評価損に関する開示を行う場合の判断にあたっては、原則として、四半期毎に、評価損の差額(*1)に基づき判断してください(*2)。また、四半期決算において洗替え法による会計処理を行った結果、評価損の戻入等が発生する場合(評価損の差額がマイナスとなる場合)は、「その他の運営、業務、財産又は上場有価証券に関する重要な事実」に関する開示が必要となる場合があります。

     

    (*1)当事業年度の期首から判断時点までの間に計上される評価損から直前四半期累計期間(直前四半期累計期間が第2四半期累計期間である場合には直前中間会計期間)において計上された評価損を差し引いた額をいう。第1四半期については、同四半期会計期間における評価損の額をいう。

    (*2)四半期決算において切放し法・洗替え法のいずれを採用する場合も同様とする。

  • 【開示に関する注意事項】

    ① 開示を行う際には、本項目の内容と併せて「適時開示に関する実務要領」も確認してください。


    ② 本項目は、災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害が発生した場合に、直ちに事実の概要を、損害・損失の見込額を含めて開示するものですが、損害・損失の見込額の算定に時間を要する場合には、損害・損失の見込額が現時点では不明である旨(概算額がわかる場合はその額)及びそれ以外の開示事項について速やかに開示してください。その後、損害・損失の見込額が算定できた時点で速やかに追加開示を行ってください。


    ③ 災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害として、例えば、以下のものが挙げられます。有価証券の評価損(「売買目的有価証券」の評価損並びに「満期保有目的の債券」、「子会社及び関連会社株式」及び「その他有価証券」の評価損(減損))(「保有有価証券の含み損」に係る取扱いに掲げる【(参考)保有有価証券の評価に関する適時開示について】参照)、貸倒引当金の繰入れ、子会社整理損、関係会社整理損、特別退職金の引当て、退職給付引当金の不足分の積増し、天災地変、火災、事故、商品の自主回収、製品の不具合 等


    ④ 「災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害」に併せて他の適時開示項目(例えば、「免許の取消し、事業の停止その他これらに準ずる行政庁による法令に基づく処分又は行政庁による法令違反に係る告発」「債権の取立不能又は取立遅延」「取引先との取引停止」「債務免除等の金融支援」「保有有価証券の含み損」「子会社等の解散(合併による解散を除く。)」等)に該当する場合があります。詳細は、当該項目に係る取扱い等を参照してください。また、当連結会計年度中に災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害が発生した場合であって、経営成績等に与える影響の程度を踏まえて、当連結会計年度等の予想値を新たに算出した場合には、「業績予想の修正等」の開示が必要となることも考えられます。


    ⑤ 子会社等において災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害が発生した場合には、「子会社等における災害に起因する損害又は業務遂行の過程で生じた損害」として開示が必要です。

     

管理番号
6739

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