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発生事実 訴訟の提起又は判決等

開示義務

 上場会社は、「財産権上の請求に係る訴えが提起された場合」、又は「当該訴えについて判決があった場合」、若しくは「当該訴えに係る訴訟の全部若しくは一部が裁判によらずに完結した場合」であって、かつ、当該内容が以下(STEP1)に掲げる基準のいずれかに該当する場合(該当しないことが明らかでない場合を含む。)は、直ちにその内容を開示することが義務付けられています。

開示実務ステップ
  • a.訴えが提起された場合

     

    基準

    いつの(時点)

    比較対象

    いつの(時点)

    a

    連結純資産

    15%

    直前連結会計年度の末日

    訴訟の目的の価額

    b

    連結売上高

    10%

    直前連結会計年度

    当該訴えの提起後直ちに訴えのとおり認められて敗訴したとした場合、当該敗訴による連結売上高の減少見込額

    当該訴えの提起された日の属する連結会計年度開始の日から3年以内に開始する各連結会計年度のいずれか

    c

    取引規制府令第50条第3号イに掲げる事項に該当しない場合


    b.a.(a)若しくはa.(b)に該当する訴えの提起に係る訴訟について判決があった場合又はその全部が裁判によらずに完結した場合

    c.a.(a)若しくはa.(b)に該当しない訴えの提起に係る判決等(訴えについて判決があったこと又は訴えの提起に係る訴訟の全部若しくは一部が裁判によらずに完結したことをいう。以下同じ。)があった場合又はa.(a)若しくはa.(b)に該当する訴えの提起に係る訴訟の一部が裁判によらずに完結した場合

     

    基準

    いつの(時点)

    比較対象

    いつの(時点)

    a

    連結純資産

    3%

    直前連結会計年度の末日

    判決等により給付する財産の見込額

    b

    連結売上高

    10%

    直前連結会計年度

    当該判決等による連結売上高の減少見込額

    判決等の日の属する連結会計年度開始の日から3年以内に開始する各連結会計年度のいずれか

    c

    連結経常利益(*)

    30%

    直前連結会計年度

    当該判決等による連結経常利益の減少見込額

    判決等の日の属する連結会計年度開始の日から3年以内に開始する各連結会計年度のいずれか

    d

    親会社株主に帰属する当期純利益(*)

    30%

    直前連結会計年度

    当該判決等による親会社株主に帰属する当期純利益の減少見込額

    判決等の日の属する連結会計年度開始の日から3年以内に開始する各連結会計年度のいずれか

    e

    取引規制府令第50条第3号ロに掲げる事項に該当しない場合


    (*)ただし、直前連結会計年度の連結経常利益が直前連結会計年度の連結売上高の2%に満たない場合又は直前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益が直前連結会計年度の連結売上高の1%に満たない場合は、利益が少額の場合の開示基準の特例があります。当該特例の詳細は、「【利益が少額の場合の開示基準の特例について】」を参照してください。


     ※ 連結財務諸表非作成会社については、「連結会計年度」を「事業年度」、「連結純資産」を「純資産」、「連結売上高」を「売上高」、「連結経常利益」を「経常利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」を「当期純利益」と読み替えてください。

     ※ IFRS任意適用会社については、「連結純資産」を「資本合計」、「親会社株主に帰属する当期純利益」を「親会社の所有者に帰属する当期利益」と読み替えてください。また、「連結経常利益」に係る基準は適用しません。

     ※ 取引規制府令の内容については、「適時開示項目に関連する条文一覧」を参照してください。

    【上場規程第402条第2号d、施行規則第402条第1項第2号】


    (注)この事実の発生による影響の見込額と他の要因により生じる影響額とを合算すると、業績に大きな影響が出ない場合でも、この事実の発生による影響の見込額自体が基準に該当するときは、開示が必要となります。

  • 〔開示に関する注意事項〕

    ① 開示を行う際には、本項目の内容と併せて「適時開示に関する実務要領」も確認してください。

     

    ② 訴えの提起には下級審判決に対する上訴があった場合を、判決には下級審判決を含みます(終局判決に先立って行われる中間判決もこれに含まれます。)。また、判決によらない完結には、訴えの取下げ、訴訟上の和解又は請求の放棄若しくは認諾等が該当します。なお、訴訟の前段階である裁判所への仲裁、調停の申立て等については、「訴えの提起」としての開示は義務付けられていません。

     

    ③ 上場会社が原告となって訴えを提起する場合については、原則として開示が義務付けられていません。なお、上場会社が提起した訴えに係る判決等があった場合については、「その他会社の運営、業務、財産又は上場有価証券に関する重要な事実」として開示が必要となる場合があります。

     

    ④ 特許権の侵害訴訟等を提起された場合であって、損害賠償に係る請求に加えて、製品の製造及び販売等に係る差止めの仮処分が申立てられた場合には、上記のほか、「仮処分命令の申立て又は決定等」として開示が必要となる場合があります。

     

    ⑤ 当連結会計年度中に訴訟の提起又は判決等が生じた場合であって、経営成績等に与える影響の程度を踏まえて、当連結会計年度等の予想値を新たに算出した場合には、「業績予想の修正等」の開示が必要となることも考えられます。

     

    ⑥ 訴訟の見通しがどのようなものであっても、訴訟の目的額や敗訴した場合に見込まれる連結売上高への影響等が軽微基準に該当しないときには、開示が必要となります。

  • ※英文開示様式例は以下からダウンロードしてください。
    https://www.jpx.co.jp/equities/listed-co/disclosure-gate/form/index.html

管理番号
6742

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