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決定事実 公開買付け又は自己株式の公開買付け

開示義務

 上場会社の業務執行を決定する機関が、「公開買付け」又は「自己株式の公開買付け」を行うことについての決定をした場合は、直ちにその内容を開示することが義務付けられています。

【上場規程第402条第1号x】

(注1)公開買付けとは、金商法第27条の2第1項に規定する株券等の同項に規定する公開買付け(同項本文の規定の適用を受ける場合に限る。)のことをいいます。

(注2)自己株式の公開買付けとは、金商法第24条の6第1項に規定する上場株券等の金商法第27条の22の2第1項に規定する公開買付けのことをいいます。


 公開買付け又は自己株式の公開買付けには、適時開示上の軽微基準は設けられていません。

 公開買付けの結果についても開示を行ってください。

※ 公開買付期間の延長や買付け等の条件の変更を行う場合には、その変更の内容について「開示事項の変更」としての開示を行うことが必要となります。

    

開示実務ステップ
  • 軽微基準はありません。決定次第直ちに開示が必要です。

  • 〔開示に関する注意事項〕

    ① 開示を行う際には、本項目の内容と併せて「適時開示に関する実務要領」も確認してください。


    ② 事前相談について

    公開買付け又は自己株式の公開買付けのうち、次のいずれかに該当する場合には、事前相談を行うことが必要です。公表予定日の遅くとも10日前までに、必ず東証の上場会社担当者まで開示資料(案)及び算定機関からの算定書(案)をメールにてご送付ください(スキームの概要・特徴点、あるいは、当該公開買付け後の経営計画などの補足資料がある場合には、併せてご送付ください。)。なお、開示資料に十分な記載が行われない場合については、必要に応じて上場規程に基づき追加開示を求めることがありますので、十分に留意してください。

    ・ 上場廃止となる見込みがある場合(二段階買収の予定がある場合を含む。)

    ・ 上場子会社に対する公開買付けを行う場合

    ・ その他開示上特に考慮を要する事情があると判断される場合(不明な場合は東証までお問合せください。)


    ※ 早期に事前相談を行う場合で、開示資料(案)の用意がない場合は、当該公開買付けの内容を記載した書面をご送付ください。なお、この場合も、公表予定日の遅くとも10日前までには、開示資料(案)をメールにてご送付ください。

    ※ メール送付時点で算定機関から正式な算定書の提出を受けていない場合は、算定機関における算定の前提条件及び算定の具体的な過程を記載した参考資料を事前相談にてご送付ください。


    ③ 公開買付け後の二段階買収について

    公開買付け後の二段階買収の場合については、当該二段目の行為を行うことについての決定をした時点において、当該二段目の行為に係る開示が必要となりますが、公開買付けを行うことについての決定をした時点においても、「合併等の組織再編行為」に係る取扱い等をご参照のうえ、当該二段目の行為に係る内容をできる限り開示するようにしてください。


    ④ 「公開買付け又は自己株式の公開買付け」と併せて他の適時開示項目(例えば、「子会社等の異動を伴う株式又は持分の譲渡又は取得その他の子会社等の異動を伴う事項」「主要株主又は主要株主である筆頭株主の異動」等)に該当する場合があります(公開買付けの結果に関する開示の際に、併せてこれらの適時開示項目に該当する場合があります。)。また、当連結会計年度中に公開買付けに係る決済の開始日(公開買付期間の最終日の翌営業日)が到来する場合等であって、経営成績等に与える影響の程度を踏まえて、当連結会計年度等の予想値を新たに算出した場合には、「業績予想の修正等」の開示が必要となることも考えられます。なお、他の適時開示項目の詳細については、当該他の項目に係る取扱い等を参照してください。


    〔その他の注意事項〕

     算定機関の作成する算定書の提出について

    上場会社が公開買付けを行う場合であって、次のいずれかに該当するときは、上場規程に基づき、算定機関(*1)が作成した算定書(*2)を東証に提出することが義務付けられています。算定書は、算定の具体的な過程(*3)及び算定の前提条件(*4)が記載されたものを提出してください(算定書に当該内容が記載されない場合には別途書面を添付することでも差し支えありません。)。

    ・ 上場会社が行う公開買付けにより対象株券等(東証に上場しているものに限る。)が上場廃止となる見込みがある場合

    ・ 上場会社の子会社が発行する株券等(東証に上場しているものに限る。)に対する公開買付けを行う場合

    【上場規程第421条第1項、施行規則第417条第10号】


    (*1)「当事会社以外の者であって、企業価値又は株価の評価に係る専門的知識を有する者」をいいます。

    (*2)「買付け等の価格に関する見解を記載した書面」をいいます。

    (*3)具体的な算定方式、当該算定方式を採用した理由、各算定結果の数値などをいいます。

    (*4)算定において前提とした重要な要素をいいます。以下の算定手法に関しては、通常、各項目に掲げる内容が記載された算定書を提出してください。その他の算定手法を用いる場合においても、これらに準じた前提条件が記載された算定書を提出してください。

    ①市場株価法

    ・計算対象期間

    ・算定基準日及び算定基準日が算定書作成日当日又はその前営業日でない場合には、当該日を基準日とした理由

    ・計算方法(終値単純平均か加重平均かの別)

    ・その他特殊な前提条件がある場合には、その内容


    ②類似会社比較法

    ・比較対象として選択した類似会社の名称及び当該会社を選択した理由

    ・マルチプルとして用いた指標(EV/EBITDA、PER、PBRなど)

    ・その他特殊な前提条件がある場合には、その内容


    ③ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法

    ・算定の前提とした財務予測(各事業年度における売上高、営業利益、EBITDA及びフリー・キャッシュ・フローを含む。)の具体的な数値

    ・算定の前提とした財務予測の出所

    ・割引率の具体的な数値(レンジ可)

    ・継続価値の算定手法及び算定に用いたパラメータの具体的な数値(レンジ可)

    ・その他特殊な前提条件がある場合には、その内容


    また、自己株式の公開買付けにより、実質的にMBO(「公開買付者が対象者の役員である公開買付け(公開買付者が対象者の役員の依頼に基づき公開買付けを行う者であって対象者の役員と利益を共通にする者である公開買付けを含む。)」のことをいう。)が行われる場合にも、算定機関が作成した算定書を東証に提出してください。


    ② 上場手続に係る提出書類について

    自己株式の公開買付けを行う場合には、開示とは別に東証まで所定の書類を提出することが義務付けられています。詳細は、「内国株式関係の提出書類一覧」をご参照ください。

     

    〔留意事項〕

     

    自己株式の公開買付けにより、実質的にMBOが行われる場合には、MBOに関する意見表明等と同様に、適時開示は、必要かつ十分に行うことが求められますので、十分に留意してください。

     


管理番号
6783

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