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決定事実 合併等の組織再編行為
- 開示義務
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上場会社の業務執行を決定する機関が、合併等の組織再編行為(次に掲げる行為をいう。以下本項目において同じ。)を行うことについての決定をした場合は、直ちにその内容を開示することが義務付けられています。
○ 株式交換 【上場規程第402条第1号i】
○ 株式移転 【上場規程第402条第1号j】
○ 株式交付 【上場規程第402条第1号jの2】
○ 合 併 【上場規程第402条第1号k】
○ 会社分割 【上場規程第402条第1号l】
※ 合併等の組織再編行為には、適時開示上の軽微基準は設けられていません。
※ 完全子会社との組織再編や簡易組織再編・略式組織再編に該当するもの、休眠会社との組織再編等業績に与える影響が軽微なものについても、開示が必要となりますので、留意してください。
- 開示実務ステップ
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軽微基準はありません。決定次第直ちに開示が必要です。
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〔開示に関する注意事項〕
① 開示を行う際には、本項目の内容と併せて「適時開示に関する実務要領」も確認してください。
② 事前相談について
合併等の組織再編行為のうち、次のいずれかに該当する場合には、事前相談を行うことが必要です。公表予定日の遅くとも10日前までに、必ず東証の上場会社担当者まで開示資料(案)及び算定機関からの算定書(案)をメールにてご送付ください(スキームの概要・特徴点、あるいは、当該組織再編後の経営計画などの補足資料がある場合には、併せてご送付ください。)。なお、開示資料に十分な記載が行われない場合については、必要に応じて上場規程に基づき追加開示を求めることがありますので、十分に留意してください。
・ 支配株主又は上場子会社(国内の他の金融商品取引所に上場している子会社を含む。)と株式交換、共同株式移転、合併又は会社分割(共同新設分割又は吸収分割)を行う場合
・ 上場会社が株式交換完全子会社となる場合、株式移転設立完全親会社が新規上場申請を行わない場合、上場会社が他社に吸収合併される場合
・ 対価として当事会社以外の者が発行する株券等を用いる場合
・ 会社分割において、上場会社が他社に上場契約を承継することにより上場廃止となる場合
・ その他開示上特に考慮を要する事情があると判断される場合(不明な場合は東証までお問合せください。)
※ 早期に事前相談を行う場合で、開示資料(案)の用意がない場合は、当該組織再編の内容を記載した書面をご送付ください。なお、この場合も、公表予定日の遅くとも10日前までには、開示資料(案)をメールにてご送付ください。
※ メール送付時点で算定機関から正式な算定書の提出を受けていない場合は、算定機関における算定の前提条件及び算定の具体的な過程を記載した参考資料を事前相談にてご送付ください。
③ 連名の開示を行う際の留意事項
上場会社を相手会社とする合併等の組織再編行為を行う場合は、両社が連名により同一の開示資料で開示することは差し支えありませんが、その場合、所定の開示事項のうち、「割当ての内容の算定根拠等」、「公正性を担保するための措置」、「利益相反を回避するための措置」、「上場廃止を目的とする理由」などについては、各上場会社が各々の観点で記載するものであるため、それぞれ双方の記載を独立した形で記載してください。
④ 公開買付け後の二段階買収について
当該組織再編が、公開買付け後の二段階買収の二段目の手続きとして行われる場合には、当該公開買付けとの関係も踏まえ、開示するようにしてください。
⑤ 会社分割において、上場契約を承継することにより上場廃止となる場合の取扱い
会社分割において、上場会社が他社に上場契約を承継することにより上場廃止することとなる見込みがあるときは、上場廃止となる見込みがある旨及びその事由を記載してください。
⑥ 「合併等の組織再編行為」と併せて他の適時開示項目(例えば、「公開買付け又は自己株式の公開買付け」、 「子会社等の異動を伴う株式又は持分の譲渡又は取得その他の子会社等の異動を伴う事項」、「商号又は名称の変更」等)に該当する場合があります。また、当連結会計年度中に合併等の組織再編行為の効力発生日が到来する場合等であって、経営成績等に与える影響の程度を踏まえて、当連結会計年度等の予想値を新たに算出した場合には、「業績予想の修正等」の開示が必要となることも考えられます。なお、他の適時開示項目の詳細については、当該他の項目に係る取扱い等を参照してください。
⑦ 株式交付を行う場合は、株式交付の成否や取得する子会社株式数等の結果について、判明次第「開示事項の経過」として開示してください。
⑧ 支配株主その他施行規則で定める者との間で合併等の組織再編行為を行う場合の開示について
上場会社が支配株主その他施行規則で定める者との間で合併等の組織再編行為を行う場合の適時開示は、必要かつ十分に行うことが義務付けられています(上場規程第441条の2第2項)。開示を行う際には、開示・記載上の注意を確認のうえ、当該組織再編を行うに至った意思決定の過程や、割当ての内容の根拠等をわかりやすく具体的に記載するよう留意してください。
〔その他の注意事項〕
① 算定機関の作成する算定書の提出について
上場会社が合併等の組織再編行為を行う場合であって、次のいずれかに該当するときは、上場規程に基づき、算定機関(*1)が作成した算定書(*2)を東証に提出することが義務付けられています。算定書は、算定の具体的な過程(*3)及び算定の前提条件(*4)が記載されたものを提出してください(算定書に当該内容が記載されない場合には別途書面を提出することでも差し支えありません。)。
・ 上場会社が他の会社と株式交換を行う場合(非上場会社を完全子会社とする株式交換を行う場合であって上場会社が会社法第796条第2項の規定の適用を受けるときを除く。)
【上場規程第421条第1項、施行規則第417条第6号d】
・ 上場会社が他の会社と共同して株式移転を行う場合
【上場規程第421条第1項、施行規則第417条第7号b】
・ 上場会社が他の会社を子会社とする株式交付を行う場合(非上場会社を子会社とする株式交付を行う場合であって上場会社が会社法第816条の4第1項の規定の適用を受けるときを除く。)
【上場規程第421条第1項、施行規則第417条第7号の2c】
・ 上場会社が他の会社と合併する場合(上場会社が非上場会社を吸収合併する場合であって上場会社が会社法第796条第2項の規定の適用を受けるとき又は完全子会社と合併する場合を除く。)
【上場規程第421条第1項、施行規則第417条第8号d】
・ 上場会社が他の上場会社と吸収分割を行う場合又は他の上場会社と共同して新設分割を行う場合
【上場規程第421条第1項、施行規則第417条第9号d(a)】
・ 上場会社が非上場会社と吸収分割を行う場合又は非上場会社と共同して新設分割を行う場合(上場会社が会社法第784条第2項、第796条第2項、第805条の規定の適用を受ける場合(簡易組織再編等)又は完全子会社と会社分割を行う場合を除く。)
【上場規程第421条第1項、施行規則第417条第9号d(b)】
(*1)「当事会社以外の者であって、企業価値又は株価の評価に係る専門的知識を有する者」をいいます。
(*2)「当該組織再編に係る割当比率に関する見解を記載した書面」をいいます。
(*3)具体的な算定方式、当該算定方式を採用した理由、各算定結果の数値などをいいます。
(*4)算定において前提とした重要な要素をいいます。以下の算定手法に関しては、通常、各項目に掲げる内容が記載された算定書を提出してください。その他の算定手法を用いる場合においても、これらに準じた前提条件が記載された算定書を提出してください。
①市場株価法
・計算対象期間
・算定基準日及び算定基準日が算定書作成日当日又はその前営業日でない場合には、当該日を基準日とした理由
・計算方法(終値単純平均か加重平均かの別)
・その他特殊な前提条件がある場合には、その内容
②類似会社比較法
・比較対象として選択した類似会社の名称及び当該会社を選択した理由
・マルチプルとして用いた指標(EV/EBITDA、PER、PBRなど)
・その他特殊な前提条件がある場合には、その内容
③ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法
・算定の前提とした財務予測(各事業年度における売上高、営業利益、EBITDA及びフリー・キャッシュ・フローを含む。)の具体的な数値
・算定の前提とした財務予測の出所
・割引率の具体的な数値(レンジ可)
・継続価値の算定手法及び算定に用いたパラメータの具体的な数値(レンジ可)
・その他特殊な前提条件がある場合には、その内容
② 上場手続に係る提出書類について
上場会社が、合併等の組織再編行為を行う場合は、開示とは別に東証に対して所定の書類を東証に提出することが義務付けられています。詳細は、「内国株式関係の提出書類一覧」を参照してください。
③ 合併等の組織再編行為により上場廃止となる場合のテクニカル上場について
合併等の組織再編行為により上場会社が上場廃止となる場合には、相手会社等が簡易な基準に基づき上場できるテクニカル上場の手続があります。テクニカル上場は、次に掲げる会社の上場について、申請に基づき、所定の審査を経て行われます。テクニカル上場を予定している場合には、公表予定日の遅くとも10日前までに、必ず東証の上場会社担当者まで開示資料(案)又は当該組織再編の内容を記載した書面をメールにてご送付ください(テクニカル上場に関する手続きや提出書類の詳細については、「テクニカル上場の手引き」をご参照ください。)。
・ 非上場会社が完全親会社となる株式交換を行う場合における当該非上場会社
・ 株式移転を行う場合における新たに設立される完全親会社
・ 新設合併を行う場合における新たに設立される会社又は非上場会社に上場会社が吸収合併される場合における当該非上場会社
・ 会社分割を行う場合における新設会社又は承継会社となる非上場会社
④ 不適当合併等に係る上場廃止審査について
非上場会社を完全子会社とする株式交換、非上場会社と共同して行う株式移転、非上場会社を子会社とする株式交付、非上場会社の吸収合併、会社分割による非上場会社への事業の譲渡については、上場規程に基づく不適当合併等に係る上場廃止審査の対象となる場合があります。詳細は、「【不適当合併等に係る上場廃止審査の概要】」を参照してください。
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- 記載要領は以下からダウンロードしてください。
- (記載要領)合併等の組織再編行為
- 開示様式例は以下からダウンロードしてください。
- (開示様式例)○○○○株式会社と△△△△株式会社の合併契約締結に関するお知らせ
※英文開示様式例は以下からダウンロードしてください。
https://www.jpx.co.jp/equities/listed-co/disclosure-gate/form/index.html
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- 管理番号 6782
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- 【合併等】 開示内容(開示ドラフト)について、事前に(開示日より前・決議日より前に)、東証担当者への相談や記載内容等の調整をする必要がありますか。