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資料 2022年度の不適正開示の発生状況等について
- 内容
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・不適正開示とは、有価証券上場規程に基づく会社情報の開示が適正に行われなかったものをいいます。
・以下では、直近年度における不適正開示の発生件数や不適正開示が生じやすい開示項目などについて掲載するとともに、
不適正開示の発生防止のためのツールについて紹介します。
1.不適正開示の発生状況1-1.不適正開示の発生件数(直近3ヶ年度)
【不適正開示の類型】
・開示漏れ・遅延:重要な会社情報を直ちに開示しなかった事例
・開示内容不備:事後に開示内容の重要な訂正が生じた事例、又は投資者に誤解を生じさせる開示を行った事例
・その他:開示より前に自社のHPにて開示内容を公表するなど、開示の手続きに瑕疵があった事例、又は未公表の情報の管理に不備があった事例など
【全開示件数に占める不適正開示件数の割合】
・「全開示件数」:プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の上場会社(内国会社及び外国会社)によるTDnetを通じた情報開示のうち、不適正開示の集計対象外となる縦覧書類等を除いた開示件数
1-2.不適正開示が発生した銘柄数、割合等(2022/4~2023/3)
【「1.不適正開示の発生状況」の総括】
・2022年度の東京証券取引所における全開示件数に占める不適正開示の割合は約0.4%、銘柄数ベースでの割合は6.5%となっています。
・近年同様に開示資料の99%以上が適正に開示されている一方、一定数の上場会社等において不適正開示が生じています。
・中には、同一年度内に複数回の不適正開示が発生したケースや前年度においても不適正開示が生じていたケースもあり、改めて適時開示制度について理解を深めるなど再発防止に努めることが重要となります。
2.不適正開示が生じやすい開示項目・発生原因の状況(2022/4~2023/3)
【発生原因の類型】
・開示項目に関する理解不足:開示が必要な事実であるとの認識がなかった事例など
・開示時期に関する理解不足:取締役会での決定や発生事実の認識がされていながら、詳細が未確定な段階
での開示は不要と誤認していた事例など
・担当者による判断誤り :開示要否の確認が漏れてしまった事例など
・軽微基準に関する理解不足:軽微基準の認識や算出方法に誤りがあった事例など
・社内外との連携ミス :社内他部門や海外子会社などからの情報連携に不備があった事例など
【上位の開示項目及びその発生原因について】
■「その他の決定事実・発生事実(バスケット条項)」
・バスケット条項に該当する事実であることの認識がなく、開示が漏れてしまう事例が多数生じています。中でも借入の決定に関する開示漏れが最多となっており、営業外収益や特別利益が計上される事実(例えば、有価証券売却の決定、新株予約権の放棄・消滅等に伴う戻入益、子会社からの配当金受領や補助金収入の発生など)についても漏れが生じやすい傾向にあります。上記のような個別の開示項目に該当しない場合においてもバスケット条項への該当性の検討を行う必要があります。
※バスケット条項に該当する事象は以下で例示していますのでご覧ください。
✓ https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge8110.html
✓ https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge8167.html
・また、開示時期の誤認も多く発生しており、例えば、借入(借入返済も含む。)の決定に関して、開示時期を借入決定後ではなく借入の実行後と誤認していた例や、営業外収益(費用)や特別利益(損失)などにつながる事実に関し金額の詳細が確定した時点や決算として計上した時点で開示することで足りると誤認していた例などが見られています。
■「主要株主又は主要株主である筆頭株主の異動」
・新株予約権の行使や株式の発行により発行済株式数が増加するなどして既存の主要株主が保有する議決権割合が10%を下回っていたものの、その確認が漏れてしまっていた例が頻発しています。
・さらに、提出された大量保有報告書を確認し異動について認識はしていたものの開示は数日以内に行えば問題ないと考えていた例や、議決権の割合ではなく発行済株式数に占める株式数の割合を確認すればよいと誤認していた例が見られます。
■「定款の変更」
・定款変更が適時開示が必要な事項との認識が不足していた例が最も多く発生しています。
・また、原則的に開示は義務付けられていない株主総会資料の電子提供制度施行に伴う定款変更のみを予定していたものの、その後変更する定款の内容が追加されたにも関わらず開示要否を改めて確認すること失念してしまった例も見られました。
■「子会社等の異動を伴う株式又は持分の譲渡又は取得その他の子会社等の異動を伴う事項」
・資本金に係る軽微基準による開示要否の確認を失念してしまっていた例や、他の子会社(孫会社)の株式を有する子会社等の異動において、当該他の子会社(孫会社)が本開示項目の開示対象となることを理解していなかった例などが見られます。
【「2.不適正開示が生じやすい開示項目・発生原因の状況」の総括】
・上記で紹介した開示項目以外の項目も含め、総じて単純な確認漏れや適時開示制度の理解不足が不適正開示につながっています。
・今後の不適正開示の発生を防止するために、
◆適時開示要否を判断する際の運用プロセスに問題がないかなど自社の適時開示体制について再確認することや、
◆適時開示に係る業務知識について十分に通じた開示担当者を常設できるよう、適時開示に係る業務知識のアップデートを
図ることや開示担当者の変更時の十分な業務引継ぎを行うこと
が重要と考えられます。
3.不適正な開示の未然防止のために
・適時開示に係る業務知識のアップデートや不適正開示の発生防止のために、以下のチェックリストやコンテンツをご用意しています。
①適時開示体制の有効性に関するセルフチェックリスト
✓ 適時開示体制の有効性について確認すべきポイントを一覧化しております。情報取扱責任者の交替時など、定期的に自社の開示体制を確認する際にご活用ください。
(https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge7862.html)
②上場会社向けセミナー動画
✓ 適時開示に関するセミナー動画について、適時開示実務未経験者向けの内容やケーススタディをもとにした実務的な
内容など複数のコンテンツをご用意しています。
(https://reg18.smp.ne.jp/regist/is?SMPFORM=lhli-lgpike-8d71286dd3052f350bbaba37ae3c4c12)
③適時開示チェックシート
✓ 自社の軽微基準額の算出や個別案件を想定した開示要否の判定が可能なシートなどをとりまとめたExcelファイルです。
軽微基準額や開示要否の確認に際してご活用ください。
(https://faq.jpx.co.jp/disclo/tse/web/knowledge7863.html)
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